2013年8月に友人の小林祐也がセネガル滞在3日目でスキミング被害に遭いました。
その被害金額、60万円・・・。
その経験を基に、スキミングされてから強制帰国するまでの流れを完全に再現して書き起こしました。
今後海外でクレジットカードを使う予定のある方、スキミングについて気になる方は是非目を通してみてください。
実際にスキミング被害に遭ってみてクレジットカードの選び方の大切さがよ〜くわかりました。
長文にはなりますが、記事の最後の方にスキミング被害に遭わない為のおススメのカードを紹介しています。
よかったら参考にしてみてください。
①スキミングとは?
そもそもスキミングとはなんでしょうか?
スキミングとは「カード所有者以外の他人がクレジットカード情報を抜き出し、お金を盗む犯罪」です。
日本でも起こっている犯罪ですが、海外では日本の数倍〜数十倍以上の確率で起こっていて特に途上国では頻発しています。
小林はセネガルでスキミングをされ何者かにクレジットカード情報を盗み出されました。
では、何故彼はクレジットカード情報を盗まれ、スキミング被害にあったのでしょうか?
②スキミングされた理由
セネガル滞在中、彼がクレジットカードを使用したのは1回のみ。
なのでこれから説明していく方法でスキミングされたのは確実です。
2013年8月某日。
いつものように小林は、家の近くのネットカフェに行きました。
インターネットである物を購入するため、自分のパソコンを使ってクレジットカード情報の入力し決済を行いました。
この時に何者かによってクレジットカード情報を抜き出されました。
勘のいい方はこの時点で、気付かれたかと思います。
そうです、この時点で彼はATMを一度も使っていません。
ATMを使っていないのにスキミングされたのです。
ネットカフェのwifiとはいえ、僕らはまさか自分のパソコンでクレジットカード情報を入力しただけでスキミングされるとは思ってもいませんでした。
さて、スキミングされたとは知らずに意気揚々とネットサーフィンを楽しみこの日は何事もなかったかのように家路に着きました。
異変に気がついたのは丁度その2週間後、ネット上でクレジットカード情報をみた彼は愕然としました。
なんと、60万円が使われていたのです。
全く身に覚えがなかった彼はそこでようやく、スキミングされたと気付きました。
③カード会社とのやり取り
彼はすぐにカード会社に連絡をしました。
するとカード会社から思いもしない事を言われます。
会社「ヨーロッパで60万円使いましたか?」
小林「ヨーロッパ?」
会社「はい。ユーロで約60万円分ゴールドを買ったという記録があります。身に覚えはないですか?」
小林「ないです。というかヨーロッパなんて行った事すらありません。」
会社「でしたら、スキミングされた可能性があります。」
小林「ど、どうすればいいですか?お金は返ってきますか?」
会社「現時点では何とも言えません。弊社の方で小林様の情報を調べさせて頂きます。その後小林様には手続きして頂くことになります。」
小林「どんな手続きですか?」
会社「具体的には異議申立書という書類を書いて頂くことになります。」
小林「それは海外にいる状態でも大丈夫ですか?」
会社「海外にいても出来なくはないですが、日本にご帰国された方が懸命かと思われます。」
小林「え?何でですか?」
会社「手続き上、そのようになっています。金額も金額ですので。」
小林「えー!もし帰国しないで放っておいたらどうなるんですか?」
会社「その場合、スキミングされた60万円はお客様負担になります。」
小林「ウソーーーーー!!!」
と、このような感じで彼は半強制的に日本に帰国することになりました。
まだ救いだったのは「異議申し立ては3ヶ月以内は有効。」とのことだったので、即日帰国というのは免れ、彼はこのスキミングの騒動の1ヶ月半後に日本に帰国しました。
日本に帰国後、申し立てをすると無事にお金は戻ってきました。
④スキミングによる一番の損失はお金ではない!?
今回のケースのようにスキミングは被害に遭ってからすぐにカード会社に連絡し、担当者の指示通りに対応すればほとんどの場合お金は戻ってくるようです。
ただ彼曰く、実際にお金が戻ってくるまでは「本当に60万円戻ってくるの?」と不安だったり、「家族にも迷惑を掛けてしまった。」と言っていました。
そして何より日本に帰国しなければいけないということが最大の痛手でした。
このように、スキミングによる一番の損失はお金ではありません。
むしろそれ以外の面での損失がかなり大きいです。
なのでそうならない為にもスキミングに遭わないように対策をとることが大切です。
では、スキミング被害に遭わないようにする方法はあるのでしょうか?
結論から言うと、現時点では海外でクレジットカードを利用する場合、スキミング被害の可能性をゼロにすることは不可能です。
それどころか日本人が海外でスキミング被害に遭うケースは増えてきています。
ではどうすればいいのでしょうか?
スキミング被害に遭わないのは無理でもスキミング被害に遭いにくくする方法はあります。
⑤スキミングに遭いにくくする方法とは?
・信用できる銀行のATMでしか利用しない
・外にあるATMを利用しない
・クレジットカードを出来るだけ使わないようにする
・カフェなどの公共wifiを使ったクレジットカード情報の入力を控える
上記の事が挙げられます。
ただ、現時点ではスキミングの可能性をゼロにするのは不可能ですし、クレジットカードを含めたカード類そのものを一切使わないということも現実的ではありません。
日頃からスキミングに注意を払いつつ、万が一被害にあった場合に被害を最小限に抑える必要があります。
その為には出国前にやるべき事があります。
⑥被害を最小限に抑える為に出国前にやるべきこと
被害を最小限に抑える為に大切なことは、下記の通りです。
・最低2枚以上のクレジットカードを持っていく(理想はVISAカード&Masterカードを1枚ずつ)
・海外にいながらスキミング被害の申し立て申請ができるのかカード会社に確認する
・スキミングされた時にどのような流れになるのか聞いておく
・スカイプでの連絡が可能ならカード会社のLINEIDやスカイプIDを控えておく
・クレジットカードの利用履歴を小まめにチェック
・クレジットカードのキャッシング利用額を最小限に抑えておく
カード会社によっては海外にいながらスキミングの手続きができない会社もあるようです。
日本を出国する前に必ずカード会社に確認してみましょう。
また、国際電話はもの凄く高いので、カード会社にスカイプなどのインターネット電話ができるのか確認しておくといざという時に助かります。
そして、クレジットカードを1枚しか持っていない状態でスキミングされたら、それこそ即帰国。
そうならない為にも準備が必要です。
準備➀:2枚以上のクレジットカードを持っていく
複数のクレジットカードを持っていく事は海外旅行をする上でもはや常識かもしれません。
注意することは複数のクレジットカードを持っていたとしても、例えばVISAカード2枚持っていたとしても、ダメだという事です。
なので必ず、「VISA+MASTER」や「MASTER+アメックス」など違うカードを組み合わせて持っていくようにしましょう。
それを踏まえて海外に行く時は三井住友VISAカードと楽天Masterカードを持っていく事をお勧めします。
理由は年会費が安く、海外旅行保険がしっかりしているからです。
特に三井住友VISAクラシックカードというタイプは海外旅行保険が日本を出国した時点で付いてくる「自動付帯」タイプのものなので、1枚持っていればかなり心強いです。
通常のクレジットカードの海外旅行保険は「利用付帯」といって航空券をクレジットカードで支払わないと海外旅行保険が適用されませんが、三井住友VISAのクラシックAタイプの「自動付帯」の場合、持っているだけで海外旅行保険が適用されるので海外に行かれる方にはかなりお勧めです。
その上年会費は初年度無料で翌年からも使い方によっては無料で利用できます。
三井住友VISAは海外旅行をする方は是非持っていきたい1枚です。
学生でも契約できます。
また、楽天カードは年会費が永年無料で審査も比較的簡単に通り、ポイントを楽天市場で利用できるメリットがあります。
僕は三井住友VISAをメインに楽天カードを利用することをお勧めします。
ちなみにJCBカードは海外ではあまり使えないので注意が必要です。
準備➁:国際キャッシュカードを作る
国際キャッシュカードは新生銀行などが発行している海外で使えるキャッシュカードです。
海外のATMでお金を下ろせるので持っていると便利なカードです。
しかし国際キャッシュカードはクレジットカードカードに比べると、海外で使えるATMが少ないので、海外では断然クレジットカードカードの方が使い勝手はいいです。
※2019年現在、新生銀行の国際キャッシュカードは海外ATMでのキャッシングに不対応になりました。
⑦持っていくべき「2枚のカード」
ここまできて「結局どのカードを持っていけばいいの?」と思われたかと思います。
スキミング被害の事を考えるとカードは最低でも2枚は持っていく事をお勧めします。
その上でお勧めなのが、
三井住友VISAクラシックカード + 楽天Masterカード の2枚です。
海外に行かれる方であれば、最低限この2枚は持っていくようにしましょう。
長期旅行者や海外在住者の方はこの2枚に加えてもう1枚クレジットカードを持っていると無難です。
上記のカードを持っていれば万が一スキミング被害に遭ったとしても即帰国しなくて済みますし、海外旅行保険も三井住友VISAのクラシックAでカバーできます。
そして、2つのカードを足しても年会費が格安(2つ合計でも初年度無料、使い方によっては翌年以降も無料)です。
どのクレジットカードを持っていけばいいのか迷っている方は参考にしてみてください。
繰り返しになりますが、スキミングの被害を100%起こらなくすることは不可能です。
しかし、クレジットカードをバランス良く複数枚持っていれば被害を最小限に抑える事が出来ます。
今回ご紹介したカードは全て無料で契約できて、海外でもかなり便利なカードです。
日本を出国される前にもう一度クレジットカードの契約を検討する事をお勧めします。
※現在既にVISA+MASTERなどのクレジットカードを持っている方は無理に新しくクレジットカードを増やす必要はありません。
あくまでも、これから海外に行かれる方で新しくクレジットカードを作ろうと考えていた方へのお勧めのクレジットカードが上記の2枚ということです。
ただ、既にクレジットカードをお持ちの方でも海外旅行保険についてはもう一度調べてみる事をお勧めします。
もし、保険が心細い方にはやはり「三井住友VISAのクラシックAタイプ」がお勧めです。
⑧詳細
最後に今回起こったスキミング被害・手口の詳細を記載しておきます。
・スキミングされた金額
60万円。しかも口座にはお金が入っていなかったため、勝手にキャッシングされて使われた。カード会社によると金(ゴールド)60万円分を2回に分けて使われていた。
・被害に気付いたタイミング
被害に遭ってから2週間後。ネット上でクレジットカードの情報を見て初めて気がついた。
・スキミングされた理由
セネガルのカフェにあったwifiを使ってクレジットカード情報を入力し、決済を行ったことが理由。
友人の場合、クレジットカードを使ったのはこの時だけなので、確実です。
実はこの時、僕も一緒にいたのですが、まさか2週間後に友人がスキミング被害に遭うとは思ってもいませんでした。
ちなみに彼はセネガルではクレジットカードを使ってATMでお金を下ろした事はありません。(←このことが一番驚きました。)
僕は何度もセネガルでクレジットカードを使っていたので、スキミングされなかったのが不思議なくらいです。
・使っていたカード
マルイエポスVISAカード。
しかしカード会社の名誉の為に言っとくと、スキミングによるセキュリティはどこのカード会社も同じとのことです。
今回はたまたまエポスカードでしたが、全てのクレジットカードにスキミングの可能性があります。
・異議申立書
異議申立書の書類を書き申請したら保険が適用され、スキミング被害額60万円は無事返金されました。
しかし、手続きの関係上予定を切り上げて帰国することを余儀なくされました。
・スキミング被害者
海外でスキミング被害に遭う人は年々増加しているようです。
友人同様、ほとんどの場合には保険が適用されるのでスキミング被害に遭われたら即刻カード会社に連絡し、その後の指示にしっかり従う事が大切です。
⑨最後に
スキミング被害は本当に悪質で新たな手口も次々に開発されているようです。
もちろん、スキミングはやる方が悪いに決まっていますし、犯人には捕まって欲しいと思います。
ただ、海外でスキミング被害に遭った場合、そんな事を言っていても仕方ないとわかりました。
スキミングに遭わない為に、現地では注意を払い、出来るだけ日本で準備をしなければいけません。
是非参考にされてみてください。
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※2021年1月5日改定
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