イシメール・ベアが生まれ育った「マトゥルジョング村」到着 【旅11日目】

朝5時に起きる。
この日は首都のフリータウンを離れてマトゥルジョング村に向かう。

3日間お世話になったイブラヒムが早朝にも関わらず乗り合いタクシー乗り場まで見送りにきてくれた。
旅に出逢いはつきものだけどやっぱり仲良くなった人と別れるのは寂しい。

お世話になったお礼といつかまた会う約束をしてお世話になったイブラヒムと別れた。

乗り合いタクシーでバス乗り場に向かう。

シエラレオネのバスには国営のものがあり結構快適で時間通りに出発もするとイブラヒムが教えてくれていた。
そんな時間通りに出発するはずがないと思っていたが、ほぼ定刻通り出発した。

このバスはまず、今いる首都のフリータウンからシエラレオネ第2の都市ポーへ向かう。
その後バスを乗り換えてマトゥルジョング村に向かう。

さて、バスで隣に座っていたシエラレオネ人の大男は出発早々、早朝にも関わらず、「ハイネケン」をいきなり2本飲み干している。
そんな姿をガン見していたからか、目が合ってしまった。
(や、やばい。もしかして絡まれるか。。。)

するとおっちゃんはものすごく優しく話しかけてくれた。

おっちゃん「君は日本人かい?」
僕「そうですよ。よくわかりましたね!アフリカにいるとよく中国人って言われることがあるので。」

おっちゃん「そうだろうね(笑)でも僕は日本人と一緒に仕事をしているからよくわかるよ。」
僕「え?日本人と!?」

おっちゃん「そうだよ。南スーダンでボランティア活動をしているんだ。ボランティアと言っても給料も出るし、3ヶ月に一回2週間の休みももらえるんだ。だから僕は3ヶ月振りに家族に会いにシエラレオネに戻ってきたということさ。」
僕「へー!じゃあ久々に家族に会えるのが楽しみですね!ちなみにその日本人の方もボランティアで?」

おっちゃん「そうだよ。彼女達は本当によく働くね!でも2人ともスーダン人の青年とカップルになっていたよ(笑)」
と、なんだか全然関係のない情報まで教えてくれたり(笑)

やはり日本人女性は世界中どこでもモテるというのは本当らしい。
その後おっちゃんはビールをさらに2本飲みながら、お互いの話しをして途中のバス停の駅で降りていった。

僕はその30分後に自分のバス停を通過してしまったようで、近くの人に「あれ?お前まだいたの?マトゥルジョングに行くんじゃなかったっけ?」と言われ、初めてバス停を通り過ぎてしまった事に気がついた(笑)

10分程、歩いて来た道を戻り、マトゥルジョングのバス停へ向かう。

迷いながらもなんとかバス停に到着。

バス停に行くと、これがアフリカのすごい所なんだけど、「○○に行きたいんだけど・・・」とか行ってると、すごい勢いでお客さんの奪い合いが始まる(笑)
西アフリカのバスや乗り合いタクシーは乗客が集まったら出発のシステムで、みんないち早く出発したいが為にこうなるのだろう。

この時も「マトゥルジョングに行きたいんだけど・・・」というと、みんなすごい勢いで僕に群がってくる(笑)
僕としてはまぁ早く行きたいわけだし、
「君のところは後何人集まれば出発なの?」
「君の方は?」
と聞いてまわる。

この時当然ウソをつく輩もいるから確認しに行くわけだが。
でもまぁ、それが本当にくだらないというか、子どもでもわかるウソをついてくるんです。

本当にこんな感じ↓

運転手「ヘイ!ユーはどこへ行くんだい!??」
僕「マトゥルジョング村に行きたいんだけど・・・」

運転手「おー!ちょうどいい俺の車はマトゥル行きだぜ!」
僕「君の所はあと何人で出発なの?」

運転手「俺の所はお前で出発だぜ!!」
僕「ホントに?ちょっと確認を。(ゴソ、ゴソ、ゴソ。。。)」

運転手「(や、やばいっ!!!)」
僕「ウソじゃないか!僕で出発どころかまだ誰もいないじゃないか!乗らないからな!」

運転手「ハッハッハ!バレちゃあしょうがないな!」
僕「このヤロー!(笑)」

と、このようなどう考えてもバレバレなウソをつく訳だが、まぁこれが結構面白い(笑)

そんなこんなで無事バスは出発し、マトゥルジョングを目指す。
マトゥルジョングへは舗装されてない道を4時間程走る。

ちょうど夕暮れ頃で僕のおしりが最高潮に痛くなってきた頃、マトゥルジョング村についた。

ただ、僕からしたらここがマトゥルジョング村かどうかもわからないので、乗客全員が降りて、運転手に
「ほら、ここがマトゥルだよ。」と言われるまで全く気付かない。

運転手に「というか、お前どこに泊まるの?」
と心配されるも「まぁ適当に決めるよ。」と。

「マトゥルにはホテルが2つ位あるからまぁ大丈夫だな。それじゃあな。」とさっきの運転手とは違いとても親切な感じだった。

さて、

僕はここからどうしよう。
ホテルがあるとはさっきの運ちゃんが行っていたけど、こんなところに来て、ホテルに泊まりたいとは全く思っていなかった。

日も暮れかかっていてそろそろ、ヤバい。
今日のホームステイ先を探さなくてはと歩き始めた。

マトゥルジョングはとても小さい村でメイン通りは歩いて片道10分程。
すぐに歩いて回れてしまう。

村のみんなもとても感じがよく、子ども達にはよく、「プムイ!(白人!)」と言って手を振られたり。
たまに僕を見ただけで泣き出す子もいて、色の白さにビックリしたのかもしれない(笑)

そんなこんなで歩いていると、何やら5人ぐらいのおっちゃんが盛り上がってる所がある。
なぜかその人達に呼ばれて、話しが始まった。

おっちゃん「お、君もピースコード(ボランディア)のスタッフかい!?」
僕「いや、僕は違うんだ。単なる旅行者だよ。」
おっちゃん「旅行?旅行ってなんだ?仕事じゃなくて?」
僕「旅行は色んな所を見て回ったり観光したりすることだよ。」
おっちゃん「どひゃーーー!」

僕は最初は何を言ってるのかわからなかった。自分の英語が通じてないのかと思っていた。
するとおっちゃんはこういった。

おっちゃん「それはただ単に世界を見に行くだけということかい?」
僕「はい。」

おっちゃんは益々驚いていた。
どうやら彼らの中には「旅行」という概念がないらしい。
家を離れてどこか遠くにいく場合は、仕事やボランティアのみで、世界を旅して廻るという事はかなり贅沢なことみたいだった。

実際「え?何?もしかしてお前、メチャクチャお金持ち?」のような事を聞かれた(笑)
しかし、僕がビザ代を払うのも精一杯と必死に伝えると、「西アフリカの人達はビザなしでこの辺りの国は全部行けるんだぞ〜」とご満悦な様子だったので安心した。

このおっちゃんはその後も色々と話しを聞いてきて、かなり話し込んでしまい、気がついたら辺りは真っ暗になっていた。
僕は意を決して聞いてみた。

僕「あなたの家に泊めてくれませんか!?2泊ぐらい!」
おっちゃん「え?いいの?」

僕「いいの?ってえ、いいんですか!?」
おっちゃん「うちの料理は外国の料理じゃないし、シエラレオネの伝統的な料理だよ?」

「そっちの方が嬉しいですよ!」と思ったけど、もしかしたら現地の人はそういう事を結構気にしてくれているのかもしれない。
だから僕が家に泊まりたいと言ったときよりも、現地のものが食べたい!と言ったときの方が彼は驚いていた。

おっちゃんは「そうであれば大歓迎だよ!」と僕を向かい入れてくれた。

おっちゃんの家はアフリカの伝統的な感じで、行くとまずは奥さんを紹介してくれた。

次に違う奥さんを紹介してくれた。

その次にまた違う奥さんを紹介してくれた。

僕「もしかして3人ともこの家に住んでるんですか?」
おっちゃん「そりゃーそうだろう」

僕「完全に時代劇じゃないっすか!」
おっちゃん「???」

一夫多妻の国では、奥さんが複数いる人には何人も会った事がある。
ただこうやって同じ家に、違う奥さんがいて子どもがいてという家庭に来たのは初めてのことだった。

いや〜世界は広いな〜。

このあと夕飯をごちそうになり(かなり旨かった!)
僕の為にホットシャワーを用意してくれ(感激!)
そしてもう一度飲みに行った(笑)

続く・・・