【セネガルレストラン開業記録VOL.12】セネガルに来てくださりありがとうございます。と手紙を頂く

セネガル弁当販売 開業日誌
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2015年1月にセネガルに来てから首都ダカールにレストラン日本食堂「和心」を開業するまでの記録になります。

以前残していた記録を少しだけリメイクして書かせていただいています。
合計100記事以上続きますが、気長にお付き合いいただけたら幸いです。

日本食堂「和心」近況報告(2015年6月1日~6月7日)

今週一週間の近況報告です。
今週からは日本人以外の人達へのお弁当の営業を始めました。
韓国のボランティア団体のKOICAからは営業した当日にいきなり8個注文をいただきました!

まさかここまでレスポンスがいいとは。。。
他の機関への営業も楽しみです。

それでは今週の近況報告です!

6/1(月)

朝一で妻と息子の長期家族ビザを申請へ。
しかし書類が足りない為、「また来い!」と言われる・・・。

今日はそのまま小林、斉藤と待ち合わせてダカールの街を散策。
物件を探したり、日本食レストランを巡ったり、計4時間程歩いて廻った。

セネガルの場合、日本以上に自分の足で情報を得ることが重要だ。

理由は大きく2つ。
一つ目はインターネットで情報を収集するのは中々難しいということ。
例えばgoogleマップにしても、数年前のまま更新されてないことが多い。
(ちなみにgoogleマップのセネガルの日本大使館の場所も正確ではない)

2つ目はお店やお店の商品の入れ替わりが激しい事。
ついこの間まであった店が潰れていて他の店に変わってるということもしばしば。

なので、歩いて情報を得ることが非常に重要だ。
ただ、炎天下の下3時間も4時間も歩いて廻るのは体力的にきつかったりするのだが・・・(笑)

帰宅後は簡単に夕食。
そこで、月曜日はお弁当の注文が入らない事で話し合う。

現在和心のお弁当は前日予約の為、土日を挟む月曜日はお客さんとしては注文しにくいはず。
実際、月曜日は一度も注文が入ったことがない。

なので、月曜日限定で「当日注文OK!丼メニュー!」をすることにした。
近々お客さんの反応を見ながら試してみようと思う。

6/2(火)

今日はお弁当の注文が4つ。
初めて注文していただいた方で、気に入ってもらえるかどうか。
気合が入る。

起床後、仕込みを開始。
その方は今日はテニスをしているとのことなので、付け合せはサッパリ春雨サラダにした。

配達に行くと、注文をしてくれたSさんの他に一緒にテニスをしていた日本人の方と自己紹介。
まず驚いたのは皆さん小さい子どもがいるとのこと。

どうやら現地の保育園に通わせているようで、益々親近感が湧く。
皆さん物凄く感じが良くて、僕達がセネガルに来たことを歓迎してくれていた。

昼食後、韓国のボランティア施設のKOICA(コイカ)にお弁当の営業に行く。
「門前払いされるのではないか・・・」と思っていたが、すごく歓迎してくれて、韓国人スタッフの方はメニューに細かくメモまで書いていた。
「近いうちに注文しますね!」と言ってくれ、楽しみ。

そのままSさんからお弁当を受け取ると、「物凄く美味しかった!日本の味でした!」と言ってくれた。
ただ、まぁ課題はこれから沢山ありそうだと実感。
例えば、お弁当箱は使い捨ての物も用意する必要があると思うし、近いうちに配達スタッフを雇う必要も出てきそうだ。

その後はそのまま街中を散策へ。
物件を見たり、売れているレストランを見に行ったりした。

そうこうしている内に、KOICAから電話が!
なんと、明日8個注文したいという!

スーパーで買い物を済ませ、家に帰り仕込みを開始。
このレスポンスの良さにはビックリ!

今後もリピーターになってもらうために、料理にも気合が入る。

6/3(水)

起床後、みんなはお弁当づくりを開始。
しかし、僕はビザ延長の手続きの為、一人役所へ。
今日はお弁当が合計12個入っているが、僕がいなくても全然大丈夫なのは、嬉しい反面ちょっとだけ淋しい(笑)

そんなこんなで一人ビザ申請。
なのだが、行くといきなり、「書類が足りないから金曜日に来なさいとのこと。」

さすがに引き下がれず、「じゃあ今から書類を持ってくるから少しだけ待っていてくれるか!?」
と聞くと、「出来るものならね。」とニヤリ。

ダッシュで書類を取りに行き、なんとか申請完了。
無事に申請が降りれば来週中にビザが発給されるという。

とりあえず、一安心。

帰宅すると、既にお弁当の配達を終えていたようで、みんなで昼食。
その後、、韓国大使館へ営業に行くことに。

しかし、KOICAとは違い、中には入れてもらえず守衛さんにメニューを渡すだけに終わった。
まぁ大使館の警備がキツイのは予想していたが、中々厳しい。

帰り道に市場で買い出しへ。
しかし、なんと市場が全くやってない!

周りの人に聞いてみると、大掃除とのことで、明日一杯は全ての店が閉まっているのだという。
「これでは野菜が買えない。。」と思っていたが、市場の外に野菜や魚を売っているおばちゃんがいた。

恐らく、市場が休みというのを知っていてここで売っているのだろう。
沢山の人が集まっていた。
さすがおばちゃん!

サバを買い、夕飯は試作のサバのカレー炒め。
これが美味しいので早速メニューIN。

夕食後はウスターソース作り、2時間コトコト煮込み作ったソースは身体にも良さそうで中々気に入っている。

6/4(木)

今日は注文が入ってなかったのだが、僕と小林の携帯に同時に2件、お弁当の当日注文が入った。
すぐに買い出し班とお弁当班に別れ準備を開始。

バタバタしながらも、なんとか時間通りに作りことが出来た。
本来なら当日注文はやってないので、皆さん申し訳なさそうに「今日できますか?」と言ってくれるのだが、注文してくれるのは本当にありがたい。

しかもお弁当返却時に手紙で「セネガルに来てくださりありがとうございます。」と書かれており、物凄く嬉しかった。

配達後、ダカールの大学に留学している大学生とお茶。
彼はインターンシップのプログラムで来ていて、3ヶ月間セネガル人に英語を教えたり、自分もフランス語を勉強しに来ているそうだ。

先週お弁当を9個注文してくれて、セネガル人と一緒に食べてくれていたので、感想を聞いてみた。
「みんな美味しそうに食べていましたよ。」と言っていたので何が一番美味しそうだったかを聞くと、なんとウスターソースだという(笑)
ソースをコロッケやアジフライはもちろん、ご飯に掛けて食べていたとのこと。
確かにセネガル料理は味が濃いので白米だけでは物足りなかったんだろう。

それにしてもソースがこんなに美味しいとは。。。
もうセネガルでソースを作って売ろうかな(笑)

彼はフランス語を話せるので、そのまま一緒に中国大使館へお弁当の営業へ。
すると、警備員のセネガル人も担当の中国人も、めちゃくちゃいい人!!!

セネガルでは中国人はあまりいい目で見られていないようで、僕もなんとなくそうなのかなぁ~と思っていたのだが、いい人過ぎてビックリした。
ちなみに一緒に行った大学生の子は「日中関係の未来は明るいと思いました」とまで言っていた(笑)

明日の買い出しを終え、今度は別の学生君とスカイプ。
彼は6月半ばから約2週間、セネガルにフランス語留学兼ホームステイをするという。
また、それ以外にやることがないので、是非和心を手伝わせて欲しいと言われていた。

彼はフランス語を話せるようなので、一緒に営業に行ったり、メニューを作ったりしようと思う。
早速、フランスに売っている日本の調味料を買ってきてもらうことになった。

最近思うのだが、こちらで出会う学生はみんなしっかりと自分の意見を持っている。
ちゃんと会話ができるし、優秀な学生が多い。

是非和心でも自分の色を出して色々と挑戦して欲しいと思う。

明日の仕込みと夕食作りを始める。
今日の夕食はカレーライスとメンチカツ。

メンチカツは前回失敗したので今回は再チャレンジ!
すると、今回のは美味しい!

みんなで食べながらこれはお弁当メニューに加えよう!という事になった。
次回のメニュー変更をお楽しみに。
仕込みは順調だったが、終わる直前に水が出なくなる。。。
これは明日の朝も出なそうだな~。

6/5(金)

起きたら、なんと水が出る!
僕のこういう予感は結構外れるのです(笑)

今日はお弁当が7個。
始めの頃は7時前に起きて作り始めていたが、最近は8時頃から作り始めても
余裕で間に合うようになってきた。

今日の注文は日本大使館の方からで「春雨サラダとか食べてみたいです」とのコメントがあったので、今日は春雨サラダを入れてみた。
すると、早速コメントを頂き、「春雨サラダの夢を叶えて頂き、ありがとうございます!美味しかったです!」とのコメントを頂いた。
お弁当はお客さんが食べている顔を見ることができないが、こうやってコメントを貰えると嬉しい。

夕方は時間があったので、久しぶりに妻と息子と近くの市場までお散歩。
息子が一人で歩いたりと成長を感じたり。

夕方にお弁当の注文が入る。
今週の日曜日に18個予約されたいとのこと。
日曜日は普段はあまり注文が入らないので、これは嬉しい!

どうやら会議のお昼休みに食べるお弁当のようだ。
メニューは任せるとのことなので、以前試作で作ったスコッチエッグとアジフライ、炒め物でいくことにした。

明日、明後日と忙しくなりそうだ。

6/6(土)

今日の朝はお弁当の注文が入っておらず。
ただ、明日のお弁当の買い出しに出掛ける。

また、今日は昼に友人が来て、日本から送られてきた豚骨ラーメンを一緒に食べようとのこと。
夢にまで見た豚骨ラーメン、あぁ早く食べたい。。。笑

友人が来ると、ラーメンの他にチャーハンも作ってくれたり。
そしてラーメンは本場九州・博多のとんこつラーメン。

しかも麺は乾麺ではなく、半生麺!!!

いざ、食べてみると、みんなメチャクチャ美味しそうに、そして大事に大事に食べていた。
妻に至っては、夕食でも食べたいと、スープを少しだけ残して夕飯に取っておくようだ(笑)

いや~久しぶりの豚骨ラーメン。ごちそうさまでした!
僕たちは日本食料理屋で、毎日日本食を食べているのだが、ここまでおいしく感じるとは。。。
ある意味新しい発見であった。

その後は明日の準備に取り掛かる。
と言っても、みんな慣れたもんで順調に準備が進んでいく。

途中、一時的に水が出なくなったが、すぐに復旧。
明日は早く起きて揚げ物や炒め物の準備をする。

6/7(日)

起床後、すぐにお弁当の準備を始める。
少し余裕を持って、お弁当が完成!

早速配達へ。
無事に18人分のお弁当を届けることが出来た。

昼食後、6月9日が誕生日の斉藤の誕生日会をやろうとサプライズでケーキを買いに行く。
セネガルにはケーキ専門店がないので、パン屋にケーキを見に行った。
しかし、5店舗程見ても、あまり美味しそうなケーキがない。

そこで、パウンドケーキと生クリーム、フルーツを買い、即席ケーキを作ることにした。

また、友人のベナン人「ガイ」も招待し、まずはみんなで夕食会を開催。
サラダとアジの蒲焼きを用意し、ガイはベナン料理の鶏肉のトマト煮込みとお米のケーキを持ってきてくれた。
どの料理も美味しくいただく。

ガイが言うには、やはり雨季は断水や停電が頻発するのだという。
2年前には約1ヶ月間、ダカールで断水が続いたらしい。
その時はミネラルウォーターを買ってシャワーを浴びたり料理をしたりしていたらしく、給料のほとんどが水代になったと言っていた。

8月から本格的な雨季が始まるが、正直雨季が始まるのが怖い。。。
まぁそれまでに何とか出来ることは対策をして迎えようと思う。

2時間程経つと、ガイが「今日はそろそろ帰るね!」と言うのでお見送り。
でもガイ、ケーキ食べてない!(笑)

ガイを見送って家から帰って来た時に、サプライズケーキとお誕生歌で斉藤のお祝い!
斉藤は完全に気づかなかったらしく、サプライズは大成功!

和心が開業したら、お客さんにお誕生日利用もしてもらえるような店にしたいな~と思った。
こっちに住んでいる人でさえ、きっとセネガルで誕生日を迎えるのは特別になると思うから、そういったサービスもできたらいいと思う。
久々にお酒を飲んだ僕は、気がついたら寝ていて、朝を迎えていました(笑)

今週のアフリカ

セネガルに来る学生さんについて。
セネガルで会う学生さんは優秀で興味・関心が高い学生が多いと感じる。

僕は大学に行ってないため、大学生活についてはよくわからないのだが、
こっちで小林や斉藤の話を聞いてると、普通の人の大学生活は遊び中心の生活だという。

しかし、セネガルに来る学生は、ちゃんと「自分事」としてこちらで活動している。
あと、自分の意見を持って、しっかり話が出来る人が多く、目上の人と話をしていてもちゃんと会話が出来る。

例えば、前に手伝ってくれた学生は、試作を作りたいからと、「原田さん、あんこを作りたいんで、小豆を買ってもらっていいですか?」等と提案してくれた。
他にも醤油や牛乳など買って欲しいと言われ、自分で試作を作って「この牛乳はあまりおいしくないですね~。」とか「煮物にはこの醤油がいいですね~。」と自分なりの考えで動いていてくれた。
この事は僕自身すごい助かったのはもちろん、優秀というか、色んな事に興味があるということにすごく感心した。

僕が知る限り、日本で普通に学生をしている人は、そこまで自分事として興味を持って活動をしている人は見たことがない気がする。

こういうことは学生だけではなく、会社員やアルバイトの人にも言える話ではないだろうか。
僕自身は、そこまで自分事になれていたとは思わないが、セネガルでこうやって自分で仕事を始めるとそういうスタッフがいてくれる有り難みがわかったし、自分もそうなりたいと思った。

なんだかインターンシップに来てもらっているのに、どっちがインターンをしているのかわからないような感じだ(笑)

来週からも一人大学生がインターンに来てくれるので、僕も彼から色んなことを吸収したいと思う。

1歳息子のアフリカ物語

1歳8ヶ月になり、最近少しずつ言葉を覚えてきた息子。
まだ喋れる言葉は片手で数える程だが、こっちが言ったことは大分理解するようになった。

例えば、掃除をしている時に「チリトリ持ってきて~!」と言うと、走って取りに行き、持ってきてくれるし、食事後洗い物をしていると、自分の食器を持ってきたりもする。

他にも僕が電話をしている姿を見てるのか、電話を手にすると、「ハロー」と言ったり。
(正確にはハローと言おうとするだけで、言葉にはなっていないが)

子どもは、言葉を覚える時、まずは動作から覚えるということを学んだ。

ちなみに息子が話せる言葉は食べ物系が多い(笑)
相変わらず、日本人、セネガル人問わず、どこでも「大きいね~」と言われる。

体調も良いし、共同生活も楽しんでいるし、これからが益々楽しみな予感。

なんでも!「Q&A」

「日本~セネガルまでの航空券の値段と所要時間はどれぐらいですか?」とご質問をいただきました。

「日本~往復航空券は安いもので約16万円~18万円程です。航空会社はトルコ航空、エミレーツ航空、エチオピア航空が安くて便利かと思います。また、所要時間は最低でも26時間程です。」

実はこれでも以前よりは大分航空券の値段は下がっています。
以前はアフリカともなると20万円以上は当たり前でした。
また、日本→セネガルの往復航空券は上記の通りですが、セネガル→日本の往復は12万円程で買えます。
ですので、こちらに住んでいる身としては有り難いですね。
まぁ僕の場合は一時帰国の予定は全くないのですが(笑)

編集後記

お弁当も徐々に軌道に乗り始めて来ましたが、どんどん新しい仕掛けをしていかなければと思っています。
新メニューや期間限定メニューなどは早急に作る予定です。

そして、今の僕達にとって一番の仕掛け、それは和心の実店舗開業です。
物件探しや開業資格など課題は多々ありますが、早目の開業を目指しています。

この記事を書いた人
原田 翔太

日本食堂「大和」「和心」代表。
2児の父/ダカールTV/セネガル起業12年目
2015年からセネガルの首都ダカールに家族で移住しています。

セネガル日本食堂「和心」2017年4月グランドオープン。
2号店レストラン「大和」2024年2月プレオープン。
※大和は週3日木~土曜日のディナー営業のみのプレオープン中です。(2024年3月現在)

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