2015年1月からセネガルにやってきて日本食堂「和心」開業までの記録です。
(2017年4月に開業し、現在は2店舗目のレストランも運営しています。)
当時の事を日記に書いていたので、それを公開しています。
3年前の事なので結構忘れていることも多いのですが、僕も読み返しながら懐かしい気持ちになっています。(笑)
それでは下記よりご覧ください。
1. 日本食堂「和心」近況報告(2015年5月18日~5月24日)
今週一週間の近況報告です。
先週から始まったお弁当販売ですが、少しずつ注文が入ってきました。
そして、お弁当30個の注文は果たして入ったのか・・・?
5/18(月)
起床後、魚市場へ。
夕食用のカツオと初めて見る魚を購入。
夕食は鍋を作ることに。
そして、先日のお弁当30個注文の件が、正式に注文が入った。
しかし、お弁当30個は弁当箱が足りないので、使い捨てのお弁当箱が必要になる。
そこで、30個の紹介をしてくれた方がお弁当箱を一緒に探しに行くことを提案してくれたので、一緒にいくつかの店を廻ることに。
目ぼしい店を幾つかあたってみる。
すると、それらしいお弁当箱を幾つか発見。
しかし、仕切りがなかったり、少し使いにくそうだ。
結局、良さ気なお弁当箱は見つけられなかったが、初めて行く店が多く、かなり勉強になった。
夕食は、カツオの出汁で作った鍋。
自家製ポン酢を作れば、魚も野菜も◎。
そして、市場で買ったよくわからない魚は、最初は臭いがきつかったが意外と美味しかった。
明日はお弁当が入っているので、下準備をして就寝。
5/19(火)
今日はお弁当の注文が2つ。
からあげ弁当とお魚弁当が入った。
注文してくれたのは昨日一緒に市場に行ってくれた方。
「お弁当30個の前に沢山練習してね。」ととても有り難いことを言ってくれた。
30人の中にはイスラム教徒の方もいらっしゃるとの方で、料理酒は使えない。
なので、からあげは料理酒に漬けることは出来ない。
その為、醤油、しょうが、にんにく、そして玉ねぎに漬けてからあげを作ってみた。
すると、味が濃い!
若干しょっぱくなってしまったが、「もしかしたらセネガル人はこのくらいが好きかも?」と考えるも色々と試行錯誤。
正解がわからない中で料理を作るのって難しい。
自分が美味しいと思ってもそれが他の国籍の人だと正解かどうかがわからないのだ。
今日はまた別のお弁当箱の店へ。
すると良さ気なお弁当箱をゲット!
30人中、子どもはこのお弁当箱を使うことにした。
お弁当箱の他にも子どもが好きそうなお弁当用の楊枝や割り箸を購入。
帰宅後、日本大使館からお弁当の注文。
嬉しことに電話で「すごい評判良いみたいですよ!頑張ってね!」と言ってもらい、これはホントに嬉しい!(お世辞だとしてもw)
明日は、お魚弁当2つ、からあげ弁当2つ、チキンカツ弁当1つ注文が入った。
買い物を済ませ、明日に備える。
5/20(水)
起床後、お弁当の準備に取り掛かる。
今日はお魚弁当2つとからあげ弁当2つとチキンカツ弁当1つ、合計5つで今までで一番の注文数だ。
朝から煮物や漬物を作っていく。
ちなみに、今のところ煮物は妻が全部作っているので、この辺りは早く僕も覚えなければならない。
12時に配達へ出発。日本大使館に無事に届けることが出来た。
今日はダカールで調味料を購入。
片栗粉、ごま油、オリーブオイル、米15kgを買う。
もちろん、これはお弁当30個の時用。
そんな時、お弁当の割り箸が臭かったかもと言われる。
すぐに近くの店を探したが、割り箸は見つからず・・・。
以前買った店以外に割り箸があるのか、聞いてみてもわからないとのこと。
ん~。もし他に割り箸が見つからなければ、今後は普通の箸で行くしかないかな。
帰りにお弁当箱を回収し、帰宅。
帰宅すると、明日は日本大使館の方と、旅行者の磯山さんがお弁当を注文したいとのこと。
有り難いことに今週はいいペースで注文が入ってくれている。
5/21(木)
朝一番で、鶏肉を買いに行く。
いつもいくスーパーは「casino」というセネガルに10店舗程ある、最大のスーパーマーケットだ。
ここはいつも欧米人のお客さんも沢山いる。
そんな欧米人に紛れながら、僕は鶏肉を購入。
帰宅後、ほとんどお弁当が出来ていたので、チキンカツを作って完成。
日本大使館へは小林が配達へ。
僕は磯山さんに配達。
どうやらセネガル人の友人と一緒に食べるとのことで、食べている様子や感想が楽しみ。
帰り道、スーパーマーケットで買い出しをする。
良さ気な絨毯が安く売っていたので、リビング用に買ってみた。
早速家に敷くと、一気に部屋らしくなってきた(笑)
明日は今のところ注文がないので、夜の買い出しはなし。
ゆっくりとみんなで夕飯を食べたり、息子と遊んで過ごしたりした。
5/22(金)
今日は久しぶりにお弁当の注文がなし。
今までの疲れがぐっと来て、朝からのんびり(笑)
今日はたっぷりと昼寝もしてしまった。
夕方から旅行者の磯山さんと一緒に市場を散策。
彼はスニーカーを1,000円程で買っていた。
その後、家でみんなで食事。
今日はお好み焼きだ。
少し違うのは、羊肉を使ったお好み焼きだということ。
羊肉はクセがありつつも、これが意外と美味しい。
野菜スープも優しい味だ。
磯山さんは先月飛行機に乗れなかったので、今回はリベンジ。
まぁさすがに今回は乗れるであろう。
また、昨日お弁当を注文してくれたので、感想を聞く。
彼自身はすごい美味しかったし量も調度良かったと言っていたが、一緒に食べたセネガル人は味が薄かったとのこと。
また、箸だと食べづらそうだったとのこと。
基本的にセネガル人は濃い味が好きなので、白米とコロッケを一緒に食べたりはしない。
白米はカレーにかけて食べるぐらいだ。
なので、やはり米は残していたという。
一番美味しいと言っていたのはチキンカツだったそうだ。
やはり、揚げ物はセネガル人は大好物なようだ。参考になる。
彼は今旅の途中で、これからスペインに行き、その後カナダでワーキングホリデーをするという。
別れ際にはみんながっちり握手をして、別れた。
無事スペインについて、日本まで帰国できますように!
5/23(土)
今日は土曜日だが、朝一で「チキンカツ弁当1つ出来る?」と注文が入る。
基本的には当日注文は受け付けていないが、即「オーケーです!」と回答。
注文が入ること自体物凄く嬉しい。
早速、お弁当準備班と買い出し班に別れて、弁当作りを開始。
時間通りにチキンカツ弁当が完成。
最近やっと要領を掴んできた感じだ。
昼食後は、台所の棚とリビングのローテーブルを買いにいくがてら散歩。
今住んでいるアパートの近くには木のベッドやテーブルが売られているところが多い。
また、他にも輸入物の家具も沢山セネガルには入ってきている。
しかし、輸入ものはめちゃくちゃ高い!
テーブルとか安くても30,000CFA(6,000円)~高いものは3万円のテーブルも!
とても手がでないので、僕たちは現地の木を使ってオーダーメイドで作ってもらうことにした。
やはりオーダーメイドとなると、金額は職人さんの裁量になるので、値段はピンきり。
色々と当たってみたが、結局どの店も高い。。。
恐らく、外国人ということもあり高く言われているんだろう。
「今日は買えないかもな~」と思い、いつも行く近所のお店へ。
すると、木で作られているお洒落なベンチが置いてあった。
「これいくらだった?」と聞くと、
「これは知り合いに作ってもらったんだけど、1,500CFA(300円)だったよとのこと。」
お~!これは安い!紹介して欲しいというと、快く知り合いの職人さんを呼んでくれ、早速交渉開始。
台所の棚と、リビングのローテーブルの他に、小林と斉藤のデスクが一つずつ、合計4つで見積もりを出してもらうと、30,000CFAにしてくれた。
4つでこの値段は破格だ。。。
しかも5日程で4つ全て完成するという。
5日後を楽しみにしよう。
夕食は昼からずっと煮込んでいた羊肉の煮込み。
これが、クセがないし柔らかいしすごい美味しい!
さすが、和心の料理長小林なだけある。
夕食後、そろそろ寝ようかと思っていたら、旅行者の磯山さんから連絡が。
「飛行機に乗れなかったんで今晩泊めてもらってもいいですか?」とのこと。
え~!
彼は1ヶ月前にも飛行機を乗り過ごした男なだけに持っている(笑)
深夜にタクシーで家に到着。
話を聞くと、フライトが勝手にキャンセルされていたらしい。
そんな事あるのかと、今日はもう遅いから寝ることに、
磯山さんにはリビングのゴザにマットレスを敷いた簡易ベッドで寝てもらうことにした。
明日は飛べるといいな~。
5/24(日)
起床後、朝食を買いに行く。
今日は旅行者の磯山さんもいるので、大人5人+息子の計6人。
ここまで来るともう大家族みたいだ(笑)
のんびり朝食を食べて、家のことやインターネットをする。
すると、磯山さんは今日の夜の便のフライトが予約できたという。
もう2回飛行機に乗れていないので、少し高いがポルトガル航空を予約したのだという。
その後、磯山さんのジャンベをみんなで叩いたりして遊ぶ。
そうこうしている内に気付いたら昼時になり、今日は久しぶりに昼食を買いに行く。
久しぶりのセネガル料理。
昼食後、スーパーへ買い出しに行く。
キッチン周りの物や大きな油などを購入。
帰宅後、今日は磯山さんが最後に料理を作ってくれるという。
居酒屋でのキッチン経験もあるということで楽しみ。
しばらくすると、美味しいそうなチャーハンが出来上がっていた。
「これは美味しい!」
また、飛行機に乗れなくて、チャーハン作りに来てくれないかな~?という思いもありながら、今日はなんとなく飛べるんだろうなと思う。
デザートにセネガルの美味しいマンゴーを食べ、磯山さんと3度目のお別れ。
ダンサーの彼はスペインの路上でダンスをしてお金を少し稼ぐらしい。
その情報もfacebook等で発信していくようで今後が楽しみだ。
2. 今週のアフリカ
セネガルでの和心出店について。
通常、日本で飲食店を出店する場合、「ロケーション(場所)」はかなり重要な要素である。
しかし、セネガルではそうではないと、沢山の人から言われる。
セネガル人からも日本人からも。
というのは、セネガルは日本の様に、「道行く人の多くがターゲットにはなりえない」ということ。
日本の場合は、お店の前を通った割合から、集客を予想出来たりもするが、セネガルでは全くない。
理由は外食を全くしない人が多くいるからだ。
なので、セネガル人は場所が遠くても、自分が好きな店、知り合いがいる店に行きたがるという。
例えば、お店を梯子する時に、歩いて5分の店ではなく、タクシーで30分掛けて違う店に行くこともザラ。
なので、場所が良くても流行らない店、場所が悪くても流行る店がある。
こういう話を聞くと、「場所は悪いけど、家賃が安い場所に出店するのがいいのではないか?」と思う。
やはり住んでみないとわからないことが多いし、日本的感覚でビジネスをやると失敗すると言われているのが最近よくわかる。
ちなみに、和心の出店場所はお弁当販売を通じて、アンケートを取ろうと思っている。
「日本料理屋がどこにあると便利ですか?」のような。
アンケート次第でどこに出すかの目安にはなるのではないかと思っている。
3. 1歳息子のアフリカ物語
今週はセネガル滞在がベテランの日本人のMさんの車で買い出しに連れて行ってもらった。
その際、妻と息子も同乗し、色々と連れて行ってもらった。
また、息子はMさんに孫のように可愛がってもらっていて、僕としてもかなり有り難い。
息子はパンを買ってもらったり、かなり甘やかしてもらっている様子(笑)
それにしても、セネガルで子ども連れに車は最高だ。
バスなら1時間以上掛かる道を20分で、しかも冷房が効いた車内で快適に過ごすことが出来る。
また、タクシーに比べても安全だ。
タクシーの運転手は人によって物凄く飛ばす・・・。
とは言え、今の僕らに車は手が出ない程の物凄い贅沢品(笑)
ただいつかは欲しいよな~。と思いつつ。。。
あと、最近息子は小林と斉藤に大分慣れてきたようで、ほっぺたにキスをするまでになった(笑)
気がついたら斉藤の部屋で一緒にパソコンを触っていたり、遊んでいたり。
共同生活の様に、沢山の人と一緒に生活するのは息子にとってすごい楽しそうだ。
ちなみに、セネガル人も大家族で子どもはみんな楽しそう。
そういう姿をみると、日本の様にいくらおもちゃやゲームなどものが溢れていても、
両親と子ども1人よりも、物がないけど、兄弟や家族が沢山いる方が、幸せそうだと感じる。
4. なんでも!「Q&A」
今週は、T・Oさんからご質問をいただきました!
T・Oさん、ありがとうございます!
「お弁当販売は今は日本人向けに行っているのですか?それともワールドワイドでしょうか?」
はい!今回はご質問を頂いていたので、敢えて書かなかったのですが、現在メニューを置いてもらっているのは日本大使館のみです。
なので、現段階では日本人向けのみになっています。
(日本大使館に勤務しているセネガル人は何人か注文してくれていますが。)
しかし、もちろん今後は日本人以外の外国人やセネガル人にも販売していきます。
現在英語メニュー、フランス語メニューも作成中です。
英語メニューの方は来週中には完成する予定です。
ですので、お弁当に関してはこれから各国大使館や国連、WFPなどにメニューを置いてもらえるよう営業活動をしていきます。
最近フランスなどでは「BENTO(弁当)」という名のランチボックスが流行っているようなので、もしかしたら爆発的に人気が出る可能性あり!?
という淡い期待も抱きつつ・・・。
これから日本人以外にも販売していけるのがとても楽しみです。
T・Oさん、ありがとうございました。
皆様からの沢山のお便りをお待ちしておりますので、
気軽にご連絡お待ちしています。
5. 編集後記
月末のお弁当30個に向け、準備が始まってきました。
お弁当メニューなども固まりつつあります。
来週は、結果をご報告出来ると思うので、楽しみにしていてください。
今後のお弁当販売事業にとって月末は一つの勝負となりそうです。
2018年原田の感想
この頃はホント、数個のお弁当を作るにも前日から準備をして当日も早起きして作っていたことを思い出しました。
最近もまたお弁当の注文が入ったりするのですが、数個であれば1時間も出来ちゃうので「あの時はね~」とインターン生達に話したりしていて、「えー!?お弁当を前日から準備ですか?何をそんなに準備するんですか!?(笑)でもそんな時期もあったんですね~」なって話したりしています。
また、お弁当30個の注文が入ったことは本当に驚きでした。
なんとなく「ここから少しずつ注文が入っていくんだろうな・・。」と期待を抱いていたことを覚えています。
でも正直、「数個でも大変なのに30個だなんてどんなになってしまうんだろう・・?」とも思っていました(笑)
それは乞うご期待。